おしゃれな解決法

例えば、学校では男女平等だったのに、会社に入ると、お茶をいれる担当が女性という会社があります。そこに入社した女性がいるとします。話には聞いていたので、それほど戸惑うこともなく、合わせておくことにして、お茶をいれている。でも、経験を積んで忙しくなってくると、一定時間を取って、10時と3時、その他随時、お茶をいれていく負担が重く感じられるようになってきた。そこで、新入社員の男性にお茶をいれる役目をかわってもらうようにした。すると、男性上司から、男性にお茶をいれさせてはいけないと言われた。どうするか。

急ぎの仕事がありまして。お茶いれてからやったらいいでしょ?それだと残業になってしまいます。残業代払うからいいでしょ?、、、課長のこと嫌いになってもいいですか?

だめだー。僕ではセンスがありませんでした。でも、こういうふうに、理が通用しない場合は、情に訴えかけるという方法も会社で行われているようです。褒めるとか、可愛い子ぶるとか、ネタを言うとか、役柄になりきるとか、交換条件を出すとか、わがままを言うとか。

それから、先日、パン屋さんに行くと、僕に続いて、小学生の女の子が入ってきました。その子が考えながら菓子パンを選んでいるので、菓子パンの棚に近づけず、一生懸命考えているのに邪魔するのもアレなので、選び終わるまで待つことにしました。すると、お店のご主人が、僕が、買うものがないので、悩んでいるように見えたのか、どんなのがいいんですか?と聞かれたので、いや、すぐ取りますので、と言い訳しておきました。ご主人は、希望を言えば、それに近いものを教えてくれたり、店頭にない場合はすぐに焼いてくれようとしたのかもしれません。でも、うちのパンに何か文句あるの?というような雰囲気を感じたので、おたくのパンがおいしくなさそうということではない、ということを表現する必要性を感じたのです。

しかし、いや、この子が邪魔で取れないのです、とも言えない。子供でもそんなことくらいでは傷つかないかもしれないけど、あまりおしゃれな表現でない。その前に言いにくいし。後で思いつきましたが、レディーファーストなので、と言えばどうだったろう。邪魔になってるってことの上品な言い方にすぎないかもしれないな。

基本的に、関係者をいい気分にさせるようなことを言っておけばいいのでしょう。しかし、自分の中に納得できるものがないと嘘になってしまう。みんな自尊心が傷ついたら、修復するまで気分が悪い状態に置かれるのだし、嘘も方便だよ、と思っておいて、しかも、自分でその人を軽蔑していてはいけず、ある部分で愛していないといけない。青木雄二さんっぽく、人間すべてを愛していれば、よいしょしやすくなるのではないでしょうか。