新聞の書評より

やさしさ(山崎ナオコーラ著カツラ美容室別室、書評:日比勝敏)
「(前略)当世のやさしさも小器用も、マニュアルのようなものによって支えられ、それを微調整することで得られるという実態は無視できない。(中略)非常に繊細な人たちである。だが、人間は難しいデリケートといっても、人によってその形は違う。互いに思いやっていてもなおすれ違いや軋轢が生じてしまう。(後略)」
※定石を知っておくことは大事だと思います。そして自分の好みを絶対化しないことも大事かな。僕は素直に定石をなぞるのが気持ち悪いほうなので、ひねりすぎて失敗する傾向があります。伝わりにくい。たとえば、子供がどんぐりをくれたらうれしいですが、大人が同じようにするとどうか。同じような純粋な気持ちであっても、伝わりにくいと思います。僕も百貨店の無難なプレゼントなんてつまらないから手作りの、とか考えそうになるので、失敗する可能性が高くなっていきます。

人生のゲーム化(ガルリ・カスパロフ著決定力を鍛える、書評:斉藤孝)
「(前略)現代社会は高速で展開するゲーム(勝負事)になってきているからだ。勝負事の原理原則を知らない者は、はじかれてしまう。はじかれた先にある世界は、ゲームではなく、身動き取れない苛酷な現実なのだ。勝負事での勝ち方や上達の仕方には、分野を越えて共通する原則がある。その原理を意識するかどうかだけで、人生の景色が全く違ってくる。(後略)」
※人生はゲームの側面がある、それはそうかもしれません。しかし、他にも側面があるということも同時に言ったほうがいいと思います。自分の人生がテレビゲームのソフトウェア1本のようなものである、というイメージを持ったら、人によっては、つまらないものだというふうに思うかもしれません。ルールが決まっていて、勝っても負けてもプログラムの範囲内で、やってもやらなくても、無に帰るだけ、というような虚無的な感じがするかもしれません。色々な側面があるな、と思っている人が、最近はゲームの側面が強くなってきてるな、一つ学んでみよう、という感じであれば、有益だと思います。