会社で「理想」とか経済的成立を考える時に注意すべき点

「理想」(なぜかっこを付けているかというと、普遍性があるかどうか不明だからです)や経済的成立について考えるのは、先輩であったり代表者の役割だと思われます。最初は、仕事の一部を分担して、他の人と同じくらいの成果が出るように頑張るのが役割でしょう。

しかし、どうも、現在行われていることが、不合理であるように思う場合、自分が考えて行動していいのでしょうか。もし道を歩いている人にアンケートを取ったなら、NOと言う人が多いのではないでしょうか。理由はともかく、イメージでは、それは違う、という感じがするのだと思います。目先の自己利益にとらわれている人だけでなく、自分や家族を守ってそれから会社や社会に対して何かできることをしたいという人でも同意見じゃないでしょうか。

まず、ある方針を掲げて、会社を作った人が、どういうことが正しいか意見が分かれる中で、自分の意見を提示し、賛同を得た人と一緒に行動して、結果について責任を負う。逆に言うと、結果が出なかったら自分の責任という意識でやっている人が掲げた方針については、一定の信頼が置ける。というようなシステムだということだと思うので、責任を負ってない人が思いつきで言うことは、代表者の考えを補強するのに使われることはあっても、全面的に入れ替えということは、基本的にありえない。そういうことがあるでしょう。

それから、自由や義務や公平や平等という政治や倫理の問題を、すべて解決するような、完璧な組織を作るのは、なかなか難しいので、ある程度、で妥協せざるをえませんが、そういうふうに限界があると見れば、入社したときの採用区分が後まで響いて、任せてもらえる仕事が限定されるといったことも、従業員の能力を完全に発揮してもらえないという意味で、会社にとって損失ですが、無用の混乱を避けて従業員全体の士気を維持するという意味では、妥当であるといえます。会社としては、従業員の能力をもっと発揮してもらったほうが、経営的にも、価値創造面でも結果が望めるという判断をした時のみ、改善の余地が出てくるでしょう。個人としては、自分の能力を発揮しやすい場所に移動していく、もしくは、その場に居ながら副業で自分の能力を発揮できるような仕事を求めていくということになると思われます。

また、ものごとを実現していくために、一人でできることであればいいですが、他の人の協力を得ないと動かせない仕事の場合、他の人の理解を得るように、説明していく努力が必要です。未熟な頃は、自分の想像力が欠けていることで間違った判断をすることもあるでしょうから、相談したほうがいい場合が多いでしょう。

あとは、経済的成立や組織運営について関与していくと、それが自分の仕事でなかった場合、通常業務に加えて、他の人の仕事を兼務する形になりますので、自分の負担が大きくなり、不安定要因になります。会社によるのかもしれませんが、内部的にも利害対立が起こりますので、お互いに押し付け合い、または、利用しあう感じがあると思います。どこまでも押す人ばかりではなくても、行けるかどうかちょっと押してみよう、という場合もあるでしょう。

そういう一連のことは、結果的にうまく収まる所に収まるような調整期間として考えたらいいのではないでしょうか。自分が仕事を受ける場合だと、簡単に入る場合は問題ないですが、ちょっと無理しないとできない場合は、他の手がすいている人に振れないか考えたりしながら、自分がやりたいか、やらざるをえないか、他に入ってきそうな仕事との兼ね合いは大丈夫か、難しくなったときのバックアップ体制をどうするか、などについて考えて判断したらいいのでしょう。(これに関してはあまり自信はありません)

それを、いろいろ雑談する中でやっていきます。あんたら俺が暇やと思とるやろー、というような牽制を入れている人もいました。その人も、牽制してできたら自分の負担を減らそうと画策しているのではなく、やらざるをえないと判断したら、無理してでもやってました。

自分のキャパシティーのやや上くらいの負荷をかけるのがいいとされていますので、やたら大きな負荷がかかる場合は、他の人に相談したほうがいいでしょう。無理してやっても誰も喜びません。うらみがましくなってしまいますからね。やっている時は苦しくても、後になって、やってよかったと思える範囲にとどめておくのがいいでしょう。

まったく無責任な人ばかりで、混乱状態にある場合ほど、自分を守るようにしないといけません。自分がつぶれないことをまず考えるべきでしょう。

一時期、一従業員まで経営感覚を持つべきというような考えが、マスコミ情報などから伝わってきた(と僕は受け取った)のですが、なかなかそう単純に言うわけにもいかないなというのが今の僕の考えです。会社に行ってタイムカードを押していたら、給料がどこからともなく湧いてきて手に入る、という感覚の人が大勢を占めると、国全体の活性が下がるというのはそうかもしれませんが、だからといって、そういう安定した環境で頑張れる人もいますので、不安定化すればいいというものでもないように思います。

ところで、トップの人の考え方以上に会社は成長しないという定説がありますが、僕もそれが正しいような気がします。トップの人が望まないことは、基本的には、その会社でやるべきでないと思います。齟齬をきたして、うまくいかないと思うからです。これは経験的な理解なので、可能性はなくはないと思いますが。

それから、人間修養の場として捉えれば、摩擦やトラブルが多いほうが勉強になるということが言えるかもしれません。