進歩のスピード

吉本隆明さんが、同人誌でやっていると、商業出版の人と比べて3倍ほど頑張ってちょうど同じ速度で進歩できるということを言われていたと思います。会社は、人を勤勉にさせる仕組みを持っている。または、協力してお互いを高め合うような仕組みになっている。そういうことでしょうか。

確かに、納期絶対厳守で、高品質をあきらめてでも納品しないといけないこともあるでしょう。それがいつまででも待つとなれば、生産量は確実に落ちるし、もしかするとだれてしまって品質の面でも劣ってしまうかもしれません。多分、同人誌にもいい所があって、両方あるというのが社会にとってはいい形なんでしょうが、会社の生産性を上げる仕組みがあなどれない、ぼーっとしていたら、こちらの存在価値がなくなる、という自戒のために言われたのでしょうか。

僕自身も同様のことは感じていて、直接教えを乞うことや、学校へ行くことをせずに、出版物のみに助けられて勉強してきた形ですが、会社の研修、会社での仕事を通じた勉強、そういうのをしてきた人と比べると、かなり水をあけられている感じです。それこそこちらの存在価値はない、という感じがします。

とはいえ、社会全体を見てもバランスが大事だし、自分個人のトレーニング方法としてもバランスが大事だと思います。社会のバランスという時のイメージは静的なものではなく、動的です。誰かが偏った疾走をして、道半ばで倒れたとしても、それを見た人たちに影響を与えたら無意味ではない。(ここは尾崎豊さんのことをイメージしています)また、ある人が疾走している間、どこかで他の人が、子供を育ててくれていて、人類存続のために働いてくれている、そういう感じです。